2017年09月03日

本は文化か芸術か

活版印刷のはじめが 「聖書」 ということもあって、本の歴史的な背景には、
「文化遺産の継承」という側面があるような気がしますが、
昨今の傾向では、「本は売れてなんぼ」
というむきもあります。


名作を読め、といわれても、何がいいのかわからない。
娯楽作品のほうがわかりやすいし、面白い。作家になるなら、そういうひとがいい。
そうは言っても、流行に合わせていけるひとなら 売れっ子にもなれるでしょうが、そういうひとばかりじゃないのが世の中。
売れなくても、書き続けるしかないひとだっているわけです。
むしろ、そっちのほうが大多数です。


お金をもらっているか いないか の違いだけで、ネット上では対等になってしまうという小説の世界。
わたしは、大多数の売れない小説家にしかなれないんだろうとは思ったりしますが、本は芸術ではない、商品化されるのが当然、という意見には首肯できなかったりします。

初心忘るべからずですよ!
本がこれほど信頼感があるのは、芸術家の存在があるからです。

あんまり本を読み過ぎてイカれてしまった「ドン・キホーテ」の話とか。
そのパロディ版が出てきて対抗処置として続編をつくっちゃったセルバンテスの話とか。

本がいかに巷に影響を与えているかということ、その背景に芸術があり、過去に自分の信念を貫き通すひとがいたからこそ、現代が成り立っているという事実を斟酌しないのは、歴史をおろそかにする行為であり、いずれそのしっぺ返しが自分にも降りかかってくることでしょう。

本が売れてなんぼ、というのは、出版社の勝手ないいぐさです。
読者は、いい本を選びたい。流行ではなく、ほんとうに面白い物を、求めているのです。

posted by アスリア at 13:16| Comment(0) | エッセイ
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