2018年09月07日

500文字エッセイ集 2018/09/07から

映画を見る   平成30年9月7日(金)

平成30年9月7日(金)時点までに、『グリーンランタン』『ベストキッド/ジャッキー・チェン版』『約束の犬』『アントマン』を見ました。
  『ベストキッド』で、ジャッキー演じるハン管理人が、「絶望から立ち直るのは自分次第」と悟るシーンと、
『約束の犬』でチャード・ギア演じるパーカー・ウィルソン教授の、
「音楽は人生と同じでとらえられない。創造は一瞬のひらめきだ」
  と言い残して死ぬシーンが忘れられなかった。あと、『グリーンランタン』の誓いの言葉のシーンも忘れられない。
  『アントマン』は、セリフと映像で笑わされたけど、そんなにゲラゲラ笑うほどのものでもなかった。工夫しているとは思った。アントマンとイエローマンが戦うシーンは、戦う道具としての小さな機関車トーマスがコケると、アントマンにとっては脅威でも人間にとっては「コテ」ってなっちゃうところは笑っちゃうと同時に、この視点の切り替えに感心しました。主人公がこそ泥ってところもいい。巨大化したアリが犬と勘違いされて、キャシーに飼われてしまうところもよかった。
  来週は『エアベンダー』を見る予定です。

posted by アスリア at 15:06| Comment(0) | エッセイ

2018年07月24日

まおくん、走る!

まおくん、走る!
           
 まおくんは、みこたんのそばでニャーニャー鳴いていました。まおくんの目の前で、自転車が逃げ去って行きました。道路でみこたんは、血を流して倒れていました。まおくんは、みこたんの足をなめました。
「痛いよう、痛いよう」
 足を抱えながらみこたんが泣きました。
「お医者さまを呼んでくる」
 まおくんは、まるでチーターのように駆け出しました。カラスがかあかあ鳴いていました。
 しばらくして病院が見つかりました。まおくんは扉をたたきました。けれど、病院の人は、まおくんを見ると、
「きゃー、猫だわ!」
 と悲鳴を上げてしまいました。
「みこたんが、けがをしたんです」
 まおくんは大声で言いました。しかし、だれもとりあってくれません。
 まおくんは、ふと、近所のおばあちゃんのことを思い出しました。まおくんはおばあちゃんのところへ行きました。けれどおばあちゃんも、まおくんの言葉がわからないのでした。
「ぼくが人間だったら、きっともっと役に立てるはずなのに」
 まおくんは、おばあちゃんの着ている服をくわえました。そしてワンワンほえかかってくる犬や、ものすごいスピードで走る車にもめげず、まおくんはおばあちゃんをみこたんのところへ連れて行きました。
「た、たいへんだわ、血が出てる」
 おばあちゃんは、すぐケータイで救急車を呼びました。みこたんは病院に担ぎ込まれました。まおくんは面会できません。
 おばあちゃんは、ニャーニャー鳴いているまおくんをなでながら、
「昔話に、猫がお伊勢参りしたら人間になったっていうのがあるんだよ」
 と、言うと、まおくんの首に財布を巻いて、
「お伊勢さんへ行っておいで」
 と言って送り出しました。
 途中、いじめっ子に追いかけ回されたり、交通事故にあいそうになったりしましたが、それでもやっと一週間後、お伊勢さんについて、まおくんは「人間にしてください」とお祈りしました。
 するとどうでしょう。まおくんは、かっこいい少年に変身していました。
 まおくんは、おばあちゃんからもらったお金で宿をとり、病院にまっすぐ行くと、みこたんに会いに行きました。
その頃には怪我が治っていたみこたんは、弟ができたと喜んで、まおくんの手を握りしめた。まおくんとキャーキャーはしゃいでいると、お父さんはお母さんに言いました。
「こんな不思議なことが起きるのは、お伊勢さんのおかげかな?」
 お母さんは答えました。
「そうですわ、だってこの子も含めて二度目ですものね」

posted by アスリア at 13:14| Comment(0) | 創作エッセイファンタジー

2018年07月10日

天国の郵送便

天国の郵送便

ここあは、パパが大好きでした。でもパパは病気で死んでしまったのです。今は二十三世紀、ママは、インターネットで、あの世へ行った人の生活をDVDで送ってくれる店を見つけました。ここあは、パパがあの世からどんなお話をしてくれるのか、大変たのしみにして待っていました。
「ねえママ、天国ってどんなところなのかな。パパはそこで、どんな暮らしをしてるのかな」
ママは、ニコニコ笑いながら、
「きっと幸せに過ごしてるわよ。大好きなゲームをしてるかもね」
注文を思い出しながら、ママはここあにかがみこんで言いました。
「DVDはほんとうに高かったから、送料が安くすむこだま便にしたのよ。でも、こだま便はひかり便より、配達されるまでに時間がかかるんですって」
ここあは、気にしませんでした。パパの暮らしぶりがわかるなら、それでもいいとおもったからです。
「ママ、わたしのお誕生日までには、DVDが来るんでしょう?」
ここあは、ママの首に抱きつきました。
ママは、洗濯ものをロボットに片付けさせながら、
「きっとお誕生日までには来るわよ」
と言って微笑みました。
ところが、一日たち、二日たち、一週間たってもこだま便は配達されません。店に問い合わせても、
「ただいま注文が殺到しています、もうしばらくお待ちください」
という返事がかえってくるばかりです。
ここあはとても心配になってきました。こだま便は、どうなってしまったのでしょうか。道の途中で、事故にあってしまったのでしょうか。もしかして、パパはほんとうは地獄に落ちてしまって、わたしにはみせられないからママが注文を取り消しちゃったのかも知れない。
いろいろな想像が頭の中を駆けめぐります。
ママの使っているスマホもパソコンも、ここあには使えないので、ここあはおもちゃのスマホを使って、スマホごっこをして遊ぶことにしました。
「もしもし、天国の郵送屋さん。パパからのDVDは、どうなりましたか?」
「ここあは悪い子だから、DVDは送られてきません」
そんな会話を聞いていたママは、おもちゃのスマホを取り上げてしまいました。
ここあは涙を浮かべて、ママを見上げました。
「天国からのDVDなんて、うそっこだったのかな。ほんとうはそんなのなくて、ドラマとかでごまかしてるのかな」
ママはすっかり弱ってしまいました。
「ママも、わからないのよ。ただ、ママのお友だちは、みんな、ほんものだって言ってるから、信用しちゃったの。いまは二十三世紀でしょう? あの世にだって通信できるんだよって言われたの」
「ママってお人好しなんだね」
「こらっ!」

それから数ヶ月、なにごとも起きませんでした。ママはすっかりだまされたのだとあきらめていましたが、ここあは郵便ポストを見に行って、店からDVDが配達されているのではとのぞき込むのです。
そんなクリスマスの日、ここあはマンションの自分の部屋で、勉強していました。お友だちといっしょにクリスマスパーティーをするまえに、ちゃんと勉強をしなさい、とママが言ったからです。すると、窓がコツコツ叩かれました。見ると、窓の外に、トナカイに引かせたそりにのった、赤い服のおじいさんが、ほっほっほと笑っているではありませんか!
驚いて窓から身をはなすと、おじいさんは、
「すまんすまん、道草をしてしまった。こだま便だけに、ひかりより遅いんだよ」
と言って、DVDとリボンの付いた箱を差し出しました。
「この箱は、いい子だったここあへの、パパからのプレゼントだよ」
ここあは、用心深く窓を開け、二つのプレゼントを受け取りました。
「さらばじゃ!」
おじいさんは、空を飛んで行ってしまいました。ここあはぽかんと見送りました。
箱を開けてみると、キラキラ光る虹のようなカードに、きぼうと書かれた猫が入っていました。
ここあは、そのきぼうを取り出して、DVDをみるために、ママのところへ駆けだしていきました。

posted by アスリア at 09:20| Comment(0) | 創作